記帳代行は税理士資格なしだと違法なのか?~税理士法との関係は?

こんにちは。
副業の格安経理代行 代表の藤田です。

副業の格安経理代行は、大阪から「オンラインで全国対応している」経理代行サービスです。

皆さんはちゃんと記帳はされていますか?
事業者にとって記帳は義務です。

とは言え、「やり方がよくわからないし面倒くさい」「他の業務で忙しくて手が回らない」といった理由で、つい後回しになっている方も多いと思います。

そんな方には「記帳代行サービス」の利用がお勧めです。

記帳代行サービスを提供しているのは税理士事務所以外に、当社のような記帳代行専門の会社もあります。

皆さんの中には「記帳代行は税理士資格なしだと違法なのでは?」と思っている方がおられるかもしれませんね。

そこでこの記事では、記帳代行に税理士資格は必要かどうかについて書いてみたいと思います。

記帳代行とは?

領収書と電卓
記帳代行に税理士資格は必要かどうかについて書く前に、まず記帳とは何かについてお伝えします。

記帳とは帳簿を作成することです。
帳簿というのは、例えば以下のようなものです。

  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳
  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 売掛金残高一覧表
  • 買掛金残高一覧表
  • 毎月の試算表

今のようにパソコンが普及していなかった時代は、帳簿は手書きで作成していました。

しかし、今は帳簿は会計ソフトから出力することが一般的ですので、「記帳=会計ソフトへの入力」と考えて差し支えありません。

記帳代行とは、会計ソフトへの入力を代行するサービスを言います。

全ての事業者にとって記帳は義務

通帳と現金と電卓
以前は記帳については、全ての事業者が対象というわけではありませんでした。

白色申告では、前々年分あるいは前年分の事業所得や不動産所得または、山林所有の合計額が300万円を超える場合に限られていました。

しかし平成26年1月の税法の改正によって、全ての白色申告者にも記帳や書類の保存が義務付けられました。

もちろん、青色申告者にも記帳や書類の保存が義務付けられています。
この結果、法人、個人を問わず、事業を営んでいれば記帳は義務となりました。

そのため、「忙しい」や「やり方がわからない」といった理由で記帳をしないことは、基本的には許されません。

自分で記帳するか、どうしてもできない場合は、記帳代行業者や税理士事務所に依頼する必要があります。

税理士法について

節税の相談
では、記帳代行に税理士資格は必要なのでしょうか?

その前に、記帳代行に税理士資格が必要かどうかを判断する基準となる法律について、少し見ておきましょう。

ご存知の方もおられると思いますが、「税理士法」という法律です。
この法律には、税理士業務として以下の3つが定められています。

1.税務代理

税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含むものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして法令で定める行為を含むものとし、酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二章の規定に係る申告、申請及び不服申立てを除くものとする。以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)をいう。

2.税務書類の作成

税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。

3.税務相談

税務官公署に対する申告等、第一号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第六号イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相応するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項について相当に応ずることをいう。

税理士資格を持たない者が税理士業務を行うとどうなるのか?

確定申告
税理士法には「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならない」とも定められています。

つまり、税理士又は税理士法人でない人が税理士業務を行うと、税理士法違反となります。

たとえ無償のボランティアだったとしても処罰の対象になり、「3年以下の懲役または200万円以下の罰金」という刑事罰が科せられます。

税理士違反になる行為としてあるのが、税理士がいない記帳代行会社が確定申告まで請け負い、自社内で処理しているパターンです。

確定申告は税理士業務に含まれていますので、明らかに税理士法違反です。

もし記帳代行と併せて確定申告も業者に依頼する場合は、業者が内部に税理士を抱えているか、あるいは税理士事務所と提携しているか、よく確認する必要があります。

記帳代行に税理士資格は必要か?

では、記帳代行は上記1~3の税理士業務に該当するのでしょうか?
税理士法には以下のように定められています。

【税理士は、前項の規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。
ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りではない。】

つまり、記帳代行は税理士業務には含まれていないため、税理士資格のない者が行なっても税理士法には違反しないということです。

そのため記帳代行に税理士資格は必要ありません。
税理士資格だけでなく、記帳代行には特に資格は必要ありません。

記帳代行に資格は必要ないとは言うけれど…

一万円札
「記帳代行には特に資格は必要ない」と言っても、本当に何の資格もなくて大丈夫かというと、そういうことではないと思います。

当たり前ですが、まずは簿記の知識が要ります。
最低でも日商簿記3級、できれば2級の資格はあった方が望ましいです。

それから、やはり税金の知識もある程度は必要です。

特に消費税については、発生した取引が課税対象かどうかを正確に判断して記帳しなければなりません。

税理士試験に合格とまではいかなくても、勉強の必要はあります。

記帳代行会社に依頼した場合と、税理士事務所に依頼した場合の違いは?

増税イメージ
「記帳代行にある程度税金の知識が必要ならば、記帳代行会社よりも税理士事務所に頼んだ方がいいのでは?」と思う方がおられるかもしれませんね。

確かにそういった考え方もあると思います。

ただ、私の経験上も言えますが、記帳代行を税理士事務所に依頼した場合、実際に記帳業務を行うのは、一人税理士事務所の場合を除いて、税理士資格を持った人ではほぼありません。

記帳はある意味、単純作業ですので、税理士資格を持っている人はあまり積極的にやろうとしない傾向があるためです。

そのため職員や、あるいは記帳業務専属のパート社員が行うケースが多いです。

この場合、税金に関する不明点があれば、税理士事務所内の別の職員に確認しながら記帳業務を進めます。

あるいは、記帳業務を当社のような記帳代行会社に外注するケースもあります。
この場合、記帳代行会社が納品した会計データを、税理士事務所の職員がチェックします。

何が言いたいかというと、税理士事務所に記帳を依頼するのも、税理士と提携している記帳代行会社に記帳を依頼するのも、プロセスとしては同じということです。

入力を担当している人が、税理士事務所の職員か外部のスタッフかの違いだけです。

ちなみに当社は税理士事務所と提携しており、不明点が生じた場合はアドバイスをいただいています。

まとめ

会計
繰り返しになりますが、記帳代行には税理士資格だけでなく、特に資格そのものは必要ありません。

資格の有無よりも、どれだけ正確に業務を遂行してもらえるかの方がはるかに重要です。
正確に業務を遂行するためには、ある程度の知識や経験が必要です。

とは言え、どの程度正確に業務を遂行してもらえるかは、実際に依頼してみないとわかりません。

いくつかの記帳代行会社や税理士事務所を試してみて、自分が納得できるところに記帳をお願いすることをお勧めします。

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藤田 精二
株式会社ビーバーム 代表取締役、副業の格安経理代行 代表。個人事業主で副業をしている会社員を対象に経理業務のサポートを行っている。会計ソフトへの入力サポートや入力代行、経理業務のコンサルティングの他、クライアントの事務所に定期的に出向いてのサポートも行う経理のプロ。